◆VCH式移動用釣竿アンテナ ◆

 * 無断転載は厳禁です。

 ・写真、絵をクリックすると大サイズで表示します。

契機

・2006年11月号CQ誌141頁「新QRP通信」VCH式移動用釣竿アンテナ(全体で1/2λの動作をする)の作り方が公開されていました。移動時に手軽なアンテナが欲しく製作してみることにしました(製作方法について一部掲載されている内容と異なっている部分があります。ご了承下さい)。
本発表者はJP6VCH/松木さんで、VCH(Vertical Coil-Half-wave)はJF1RNR/今井さんによる命名です。
・個人的にもご教授いただきましたJP6VCH/松木さんに深くお礼申し上げます。

簡単な構造
・非常に簡単な構造です。
・このように簡単な

A はほぼ1/4λ
B + C はほぼ1/4λ
A + B + C はほぼ1/2λ


・コイルからの有効な輻射がある。
・電流の腹が上の方にある。
・グランドエレメント(水平エレメント)は1/4λより短い。

ことがあげられます。

コイルの製作

・コイルによる損失を小さく、またコイルからの輻射を大きくするため直径を大きく、なるべく太い線を使用するようにします(本アンテナの特徴)。
・本紙にあるように500mlのペットボトルと、私は余っていた銅線1.25q(本紙はアルミ針金#14 φ2mm)を使用しました。
・銅線を巻くために自在ブッシュを使用しました(本紙はビーズバンドを使用)。




・使用する自在ブッシュ 30T分、6本分




・ペットボトルの先端をカッターとはさみで切り落とします。






・切り取った後で怪我をしないようセロテープで貼り付けておきます。
・ライターの火でちょっとあぶるとトロっと丸まって安全になります(TNX JO1KVS@小出さん)




・自在ブッシュの両端に両面テープを貼り付け、ペットボトルに貼り付けます。銅線を這わせる際1周すると次の段にてるように段差をつけておきます。








・銅線を巻き付けます。




・エポキシ系ボンドで接着し、半日以上乾かせます。






・上エレメント、下エレメント、給電部の製作

上エレメント用に1.5D同軸ケーブル(1.45m)を、それ以外の部分には、アース線(1.25q)を使用しました。




・私の場合は、ケースにBNCコネクタ、端子を取り付けました。






・グランドエレメント用5.2m(片側にバナナ)とバンド切替え用0.22m(ワニ口クリップ付き)




・コイルと上エレメント、下エレメントの接続

.私の場合はダイレクトに接続しました。圧着スリーブやワニ口クリップ等の手法もあるかと思います。
コイルの先端も接着剤で接着しました。






・ドリルで小穴をあけた後、リーマで穴をあけます。その際、1.45mの箇所でとまるように考慮してきます。




調整

・いよいよ調整段階です。荷物はこんな感じ(リックの1/3しか入っていません(^。^)




・中身はこんな感じ。




・同軸ケーブル以外は100円ショップで購入したプラスチックケースに納めています。




・仕舞寸法の短い釣竿(41cm)について
(上の写真の釣竿の仕舞寸法は約1m程度で移動の際、邪魔でした。
 以下の釣竿(06.11.04現在)をご教授いただきましたJP6VCH/松木さん、JA1BVA/齋藤さんに深く感謝いたします)












・赤紐部分を一回結んでおくと次の竿に落ちないようになります。またこの赤い紐をゴムに取り付け紛失しないようにされてる方もいらっしゃいます。




・仕舞寸法の短い釣竿(41cm)と長い釣竿(103cm)との比較

仕舞い寸法の短い方がリュックに入り重宝するのですが、先端が細いのでアンテナをくくりつけた時、やや斜めになってしまいます。がしかしリュックにすっぽり収納でき重宝します。








・測定風景








結果

コイルで使用した太さが影響したためか、上エレメントの長さ1.35〜1.45m内で7MHz帯が共振周波数帯とならず。

上エレメント長 共振周波数
   1.45m   6.469MHz
   1.40m   6.506MHz
   1.35m   6.571MHz
   0.98m   7.007MHz

上エレメントは98cmで共振するようになりました。
・14MHz帯以上で、グランドエレメントを半分(2.6m)にしてもSWRに変化はなかった。
・7MHz帯で、上エレメントをさらに微調整できればSWR1.0に追い込めそう。
・本来は、7MHz帯用で使用したいので他バンドはチューナを挿入すれば使用できそうです。

             (SWR)
7MHz帯   7.003MHz 1.15 上から 0T
10MHz帯 10.100MHz 2.00 下から13T(実質17T)
14MHz帯 14.050MHz 1.90 下から7T(実質23T)
18MHz帯 18.100MHz 1.75 下から 0T
21MHz帯 21.300MHz 4.80 下から 0T























・簡単な構造からも1/2λで電流の腹が上の方にあり波は飛びそう。
・グランドエレメントが5.2m 1本でも7MHz帯等SWRが安定している。

2006.12.17(日)
・移動先 神奈川県津久井郡城山町 JCG#11005A
 いままで本アンテナを近場の公園で使用しておりましたが、他の場所でも使用してみたく今回移動してみました。他のアンテナ(430MHzカンテナ)もどの程度かも知りたく合わせて持参してみました。
 移動した場所にトラさん移動隊のみなさんを偶然発見、合流しました。コンディションはまぁまぁといった感じでQSO数も一桁台でしたが、本アンテナ等いろんな持ち物等世間話に花が咲きました。



・EQT-1を手にするJA1KHZ/矢頭さん




・釣竿アンテナ2本(左側はJA1JON/コイル部分雨樋、中央はJF6LIU/コイル部分はペットボトル)とカンテナ、決して釣りをしているわけではありません(笑






◎◎◎ 釣竿アンテナの収納について(補足) ◎◎◎

・VCH式アンテナの収納方法についてJQ1GLJ/熊谷さんの事例をご紹介させていただきます。

・以下の写真は私の収納方法です。100円ショップのケースにペットボトルのコイルが変形しないように、他のグランドアース線、BNC同軸ケーブル、釣竿簡易固定用として選択バサミ、後テープ使用後のゴミも入れて持って帰るようにしています。おおざっぱにはこのような収納でよいかと思いますが以外と体積を占有します。

 


・以下の写真はJQ1GLJ/熊谷さんの収納方法です。

・アサヒペン ポリ軟膏NK型容器/1000mL
VCHオリジナルデザインと違い、自在ブッシュを使っているのでコイル寸法が少し短くなっているようで、これが幸いしてこのポリ容器に、「コイル」「エレメント」「ラジアル」全てがスッポリ収まってくれました。










・その他、ポリ容器の口の部分は、ネジ蓋で閉まりますが、本体のネジ上が成形バリのように口径を狭めるように薄く出ているのでカッターでこの成形バリを切り取り、ポリ容器の口径をほんの少し広げる必要がありました。




・口に付けた紐は、山梨土産の桔梗屋「信玄餅」の袋に付いているのが丁度良い!?(笑)


 
Copyright cqcqcq.org 2003-2007 All right Reserved 
(無断使用及び転載は禁止します) 
mail to jf6liujarl.com